家紋デザインを制作する際のこだわり

私が制作する家紋には「家紋」と「家紋風」の2通りあります。 「家紋風」というのは主に展示会用の作品や商品の為のデザインで特定の意味を込めない デザイン重視のものです。「家紋」はデザイン性はもちろんですが、家紋を持つことになる方にとって 意味の有るものになります。

例えば、この家紋。これは2006年頃に自分自身の為に作ったものですが、 下記のような意味を込めて制作しました。

“A”は、ネロリというハーブの一種で上品でとても女性的な香りの花です。 この香りが放つイメージのように上品で女性らしい女性でありたいという思いが込められています。この花の香りに対する印象は人それぞれ違うと思いますが、 自分だけが持つ思いを入れてこそ「家紋」となると考えています。 「昔、武将が戦いに勝って、帰途の道に咲いていた花を 縁起が良いと家紋にした」というような経緯で作られた家紋もあります。 他人にはなんでもないものが自分にとっては特別。 そういったものは誰しも持っていたりするのではないでしょうか?

“B”は、剣です。剣は昔から家紋に用いられていました。 主に武士の家系で用いられています。武士・・・戦いです。 現代の武士は働く人でしょうか。日々仕事で戦っています。 そして剣には「切り開いていく」という意味があります。 この家紋には未来、人生を自分で切り開くという意味が込められています。

“C”は水です。これも昔からあるものです。家紋に花を入れたので水を足しました。 それによって花はいつまでも生き生きと咲きます。 水によってプラスの作用をもたらしています。

最後に・・・本物のネロリの花びらは5枚です。 それをあえて3枚にしたのは、3つの剣と足して6になるからです。 昔は「奇数を良い」とする家と「偶数を良い」とする家がそれぞれありました。 しかし、3つのモチーフと違う3つのモチーフを一緒に入れるものは足して6になり、 奇数の倍数でもあり偶数の倍数でもあるところから何事もうまくいく・すべてうまくおさまる・すべてを支配するといったような意味が込められています。

実際の打ち合わせでは、

「思い出の土地や物をモチーフに、いつまでもその頃の思いを忘れないように」
「結婚した日に雪が降っていたから雪をモチーフに」
「家族の記念の品をモチーフに、いつまでも仲良くという意味を込めて」
「素敵な出来事があった日に猫が魚をくわえていったから猫と魚をモチーフに」

など、ご依頼者に合った意味とモチーフを絞り込み完全にオリジナルの家紋を制作していました。

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